- 栽培地・栽培者:福井県鯖江市吉川地区
- 品種:丸なすの品種には「巾着」「芹川」、その分系に「吉川(きっかわ)」がある。現在の吉川なすがこの品種を指すのか、古くからの栽培地鯖江市旧吉川村の地名から命名されたものかは不明だが、諸形質の類似性、地理的・文化的つながりからみて、京都の賀茂なす(大芹川)とは類縁関係
- 来歴:本格的栽培が始まったのは昭和17(1942)年~18(1973)年頃。当時は現在の鯖江市下川去町、石田町、田村町などで多く栽培されていたが、次第に減っていき、近年1軒にまでなってしまった。復活は、市が農家有志と立ち上げた「伝統野菜等栽培研究会」によって、1軒残っていた農家からタネを譲り受けて始まった
- 特徴:扁円からやや巾着型の丸なす。黒紫色で光沢がよい。皮は薄く、肉質はよくしまり緻密。ヘタはやや小さく、トゲは少なく、弱い。果実は250gほどの大果となる
- 入手可能時期:
- 利用方法:昔からなじみの深い食べ物で、夏場の漬物やみそ汁の具に欠かせない。田楽にしても美味
※参考文献:「地方野菜大全」芦澤正和監修(農文協) / 「47都道府県地野菜/伝統野菜百科」成瀬宇平・堀知佐子著(丸善)